私はその分野に特別な知識があるわけでもなく、事細かに調べているわけでもないけれど
平凡な国民のひとりとして思ったことをここに書き留めたいと思います。
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先日深夜にロボット開発の番組が放映されていました。
東電からの依頼でHondaはASIMOの技術を活かしてアーム型ロボットを開発中。
人が立ち入れない過酷な災害現場で作業をこなすための災害用ロボットの開発。
そして「大事なのは人間の環境に適応したロボットを作ること。ロボットに人間の道具を使わせ操作できること。その結果ヒューマノイドに行き着いた」という、すでに戦争の現場で実用も果たしているロボット開発のアメリカ国防総省DARPAのヒューマノイドについて。
さらには日本国内で工場や生産ラインの現場で実際に導入されている産業用ロボットのこと。
米国防総省主催の大規模災害に対応できるロボット開発を競うプロジェクト「ロボティクスチャレンジ」にHondaは不参加と告げた。
大規模災害に対応という目的であっても、もともと軍事ロボットに軸を置いているのであり、開発技術が将来的に軍事利用されるのでは?という心配のあったHondaは「戦争に技術を提供しない」という意思を貫いたと言え、スピリットを感じた。
「護る」ことは「戦う」ことの延長線上にもあると言える
逆に、戦うことの先に護るが存在している場合もあると思う。
背中合わせというよりか、どうしても同じ線のうえに在るもののような気がする。
だからこそ、人と共存することを目的にスタートしたHondaのロボット開発では
目指す方向を見極めたうえで、開発の目的とする境界線を自分たちで線引きしなくてはいけないのだろう。
目の前の原発事故現場で活躍できるロボットの開発に専念するとした姿勢を応援したいと思った。
そして軍事予算での開発を認められないが故に、東大の博士や研究者たちが退職してまでも「ロボティクスチャレンジ」に参加し、災害用ロボットを開発していることも応援したい。
それと同時に原発事故問題を抱えている東電側も、専門機関や人に開発の注文のみを出すのではなく、
自身の問題として開発への努力と協力を国民へ見える形であらわしていってほしいとも思った。
国内のとある工場で産業用ロボットを導入した会社では、ベテランの社員がこなしていた作業をいともかんたんにロボットが習得し作業する。社員はロボット達には負けてられないですね、と話していた。
単純作業にロボットを導入することは良いような気もするが、休憩も昇給もいらないロボット…
確かに効率は上がるだろうけど、それで儲かるのは資本家と一部の人だけにならないのだろうか…
ただでさえ仕事の少ない世の中になっているのに、この先大丈夫なのだろうか?と心配にもなった。
私はASIMOに関しては2000年頃から、人のように歩けるようになった、挨拶が返せるようになった、踊れるようになった、などほのぼのした進化の話をニュースなどメディアで知る程度で、正直「それが出来るようになって、これから本当に人の幸せに貢献できるの?」と思ったりしていた。
だったらもっと介護の現場で大変な人の移動や力仕事に特化したものなど、目的のはっきりしたロボットをどんどん作ったほうが良いのでは?と素人として思っていた。
でも、原発事故も起きてしてしまった東日本大震災を機にヒューマノイドの必要性も少しだけ理解できた。
ただ、やっぱり人型ではないほうがよい現場、個別の能力に特化したロボットが必要な場合もたくさんある。
例えば株式会社 知能システムが販売しているアザラシ型ロボット「PARO(パロ)」なんかは、セラピー効果があるロボットとして特に北欧ではかなりの現場で導入されているという。「産業用ロボット」だけではなくPAROのような『メンタルコミットロボット』の必要性も大きいのではないだろうか。
もっともっといろんな分野のロボット開発に国が支援をしていかなくてはいけないはず。
「日本は厚生労働省が定める法的基準が厳しく医療機器としての認定には時間がかかるうえに、製品ができると研究支援を止めてしまう」と聞いたことがある。世の中のあらゆる製品だってお客様の声に基づいて、改品改良が加えられるのに、現場での活用や症例をもとに改良・開発をさらにしていかなくてはいけないロボットに支援がされないのでは意味がないのではないだろうか。
本当は国民の一人として、開発の様子や現状、国がどんな補助金を出しているのか、など自発的にそういったことを調べて知る努力をするべきなのはわかっている。
興味がないから知らない、知らなくていい、知っていなくても困らない…ではやっぱり駄目。
これから少しずつでも自身で勉強していきたいと思う。
できればメディアにも頑張ってもらいたい。
視聴者が興味の無い分野だから取り上げないのではなく、興味のない人たちが関心を寄せるような内容にし、
分かりやすく説明や解説する番組や紙面作りをして欲しい。と番組を通して思った。